錆びた車の多い北海道
ひどく錆びた車が走る北海道
横浜から札幌に来て車関連で驚いたことの一つに「錆びた車をよく見かける」という事です。
関東でも多少錆びた車は見かけますが北海道では「驚くほど錆びた」車を見るのです。
この「驚くほど」というのは錆びた車の数ではなくて、「錆びた部分が非常に多い」車のことです。
錆が目立つ車というのは札幌市内では恐らく(パッと見で)0.5%くらいしかないかもしれません。
しかし「大丈夫か?」と思うほど錆びた車を見かけることがあります。
↓いくらなんでもここまではありませんが。走っているので。
でもこの写真のフロントバンパーくらいの錆が出ている車は見かけます。
車の錆の原因や対策
来た頃に何となく「雪を融かす融雪剤のせいではないかな?」と思っていました。
融雪剤は塩化カルシウム、つまり塩を使うという事を聞いたことがあるからです。
でもいくら何でも・・・と思うほど錆びた車を見ますし逆に99.5%以上の車は錆が目立たない綺麗な状態です。
ネットで調べても「雪国は融雪剤の影響で車体が錆びることがある」としか書いてありません。
これでは私は納得出来ないのでお世話になっているディーラに聞いてみたところ以下の回答でした。
ひどく錆びている車の原因はほぼ間違いなく融雪剤の塩の影響です。
しかし車の塗装というのは防錆処理の他、複数の塗装を焼き付けるので簡単には素の鉄板が表に出てくることはありません。
錆がひどい車というのは傷が付いた部分をそのままにしておいたからなのです。
もちろん多少の傷がついても車は簡単には錆びません。
しかしやや深い傷を受けてそのままにしておくと錆が内部で進行してどんどんひどくなることがあるのです。
もし少し深めの傷をつけてしまったと思ったらその部分を洗浄後にタッチペンで重ね塗りをしてください。
これだけで錆びを予防できます。
かなり深い傷と思った場合はお店にご相談ください。
なるほど! と思う回答でした。
傷を放っておいたから錆がひどくなったんですね。
そういえばひどい錆の車というのは営業車や、完全に下駄ばき代わりに使っていると思うような車の比率が高いのです。
ぶつけても細かいことを気にしないで「とにかく動けばよい」という考えの車ですね。
以下もご覧ください。
参考記事:車の錆(融雪剤以外の理由)
錆の最初のきっかけになるのは例えば以下のような傷から進むことも多いようです。
こういう部分からどんどん錆びて行くのですね。
また以下の写真は極端な例ですが車体の一部がボロボロになって走っている車もたまに見ます。
(車の車体の写真ではありません)
普通に走って傷に注意していれば北海道でも車は簡単には錆びないという事です。
冬には長距離を走った後や、1月に1~2度は「下部洗浄」をした方が良いそうです。
「下部洗浄」とは名前の通り車の底面を水で洗って融雪剤を洗い流すことです。
自分が車体に潜ったりディーラに持ち込まなくても洗車機にはプラス100円程度で下部洗浄を自動的にやってくれる機械が多いのでこれを使うと良いでしょう。
また車の雑誌などによると「冬は下部洗浄を週に1~2度すべき」と書いてあることもありますが、ディーラによると「月に1~2度で充分」だそうです。
車の底面に防錆処理をする
上記の傷の対策や下部洗浄は普段から気にとめておくことですが、北海道に来て初めて知ったこととして「底面に防錆処理をする」ということでした。
車の底面の状態なんてジャッキアップでもしないとわからないし、いちいちそんなことやってられません。
これはディーラや自動車用品店などによっても名称が異なっているようですが、「シャシーブラック」、「ボディコート」、「アンダーコート」など色々あるようです。
スプレーも売っていて自分でも出来るかもしれませんが、車体底面ですからそれなりの高さまでジャッキアップしないと厳しいですね。
個人でそんなジャッキ持っている人はごく一部でしょう。
簡単なのはディーラや自動車用品店でやってもらう事です。
しかしお店や車の大きさなどにもよりますが、1300~1500ccのファミリーカーの場合「下部洗浄+コーティング」で2~4万円くらいかかります。
効果は2~3年とからしいです。
ただしディーラによっては「新車購入時に同時でしかやらない」というところもあるようです。
新車購入時でない場合は、状況により「下部洗浄+傷の修復+コーティング」となりさらに価格が上がる場合もあります。
でも効果は高いようなので底面の錆が心配ならばやった方が良いかもしれませんね。
融雪剤散布の実態
先にも述べたように融雪剤は塩化カルシウムを使います。
塩です。食品に使われるのは塩化ナトリウムですが、こちらも融雪剤として売っていることもあります。
(塩化カルシウムの方が塩化ナトリウムよりも凍結温度を下げる効果が高いそうです。)
値段は双方ともに大して変わりません。白色の荒い粉末です。
余談になってしまいますが融雪剤で黒い色のものもあります。
こちらは道路ではなくて畑に撒くものです。春先に雪解けを促進させるために撒くもので炭素系が主原料のようです。
畑には塩は撒けませんのでこの黒いものを撒くのです。値段は塩化カルシウムの倍以上します。
黒い色によって太陽光を吸収してその蓄熱で雪を融かすのです。
さて冬の北海道の道路は「除雪+融雪剤」が基本となります。
一般道は幹線含めて走っていても特段に感じませんが高速道路は撒いた直後は雪の白なのか融雪剤の白なのかわからないほど撒きます。
このような時に走ると融雪剤の粉末が車内に入って来てむせることがあります。
また5分も走れば車にはやや薄黒い白いシミがべったりつきます。
ひどい時は後ろのガラスが白くなって後方視界が極端に悪くなります。
↓融雪剤を高速道路に撒いている状況↓
(引用元:マイナビニュース 高速トリビア http://news.mynavi.jp/column/highwaytrivia/023/ )
とにかく一般道に比べると高速道路はビックリするくらい撒きますが、でも闇雲に撒いているわけではありません。
道路管理会社が日に数度撒いた塩化カルシウムの塩分濃度を測っているのです。
テレビで見てびっくりしましたが、ティッシュか小さな布を路面に押し付けて(人間が手でです。)水分を吸収させてそれを測定器にかけて塩分濃度を測るのです。
測定器と言ってもすごいものではなくて、ティッシュなどに吸収させた水分をルーペのようなものに垂らして光にあてながらのぞき込んで濃度を測っていました。
しかも周りは車がビュンビュン飛ばしている最中で行うんです。
でも本当に高速道路はすごい量の融雪剤を撒きます。
北海道だからかもしれませんけどね。
オマケ: 一番車が錆びやすい環境は冬の融雪剤よりも海岸付近で使っている車の方がはるかに錆びやすいそうです。
傷が無くてもある年数から急に錆が増えることがあると聞いたこともあります。
実は親戚である南の島に住んでいる人がいるのですが、車はともかく家電製品が潮風で直ぐに錆びる、壊れると嘆いていました。
DVDプレーヤなどもダメになるのが早くて近所中買い替えるのが早いと言っていました。
以上、北海道での車の錆について書きましたが、結論は「錆びは恐れずに足りず」です。
傷のケアさえしていれば問題はないです。さらに車体下部の防錆処理をすれば完璧とは言いませんがかなりの予防になるのではないでしょうか?
だから北海道でも10年~20年近くも大して錆びずに走っている車は非常に多くあります。
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