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冬の北海道で起こり得る事故とトラブル

冬の北海道ではトラブル回避は難しい

北海道に限らず豪雪の雪国で真冬に運転されたことはあるでしょうか?

私は東京出身で、免許もそちらで取りましたが、札幌に引っ越して来たのは3月、そして雪が大変に多い年でした。

最初は本当に恐かったです。マイカーはFFなのでごく僅かな登坂でも一旦停止すると発進は極めて困難となり、状況によってはUターンして別のルートを選ぶか、バックで平坦な場所まで下がらなくてはなりません。

車が通っていなかった郊外の片側2車線の幹線道路でスピンも経験しました。
幸いタイヤを縁石にぶつけて停止したので車体の損傷もなく、他車や歩行者がいなかったのは本当に不幸中の幸いでした。

10年超経った今も冬道は本当に恐ろしく緊張しますが、とりあえず最初の1年を過ぎれば慣れたとは言いませんが、「運転のコツ」はかなり分かって来ます。

しかし他車のトラブルに巻き込まれて、こちらの車体に損傷が生じたり思わぬ冬の渋滞に巻き込まれることは必ずあり、避けることは不可能なのです。
(現時点では他車のトラブルで私の車の車体に損傷がもたらされた事はありませんが、あくまでも「現時点で」のことです。)

本記事では他車からもたらされるトラブルを中心に書くことにします。

他車からもたらされる冬の運転のトラブルとは?

だれでも事故なんて絶対に起こしたくありませんから慎重に運転することでしょう。
まず冬道での基本をおさらいしておきましょう。

1、「急」の付く操作は一切しない
急ブレーキ、急加速、急ハンドルなどです。基本中の基本ですね。

2、常に車間距離は多めに取る
冬道はブレーキをかけてもなかなか停まりません。スタッドレスタイヤでも思ったほど短距離での停止は不可能ですし、ましてやツルツルの凍結路面だとそれこそ車体が何処に行くか分からないほど派手にスピンしたりします。

3、出発前に燃料は十分に入れておく
必ず満タンである必要はありませんが、どんな車でも冬は燃費がガクンと悪化します。
これは強めに暖房を使うことが大きな原因です。室内が寒いのはもちろんのこと、ガラスの凍結を防ぐためにも暖房は欠かせませんね。
そして雪道での渋滞などに巻き込まれて長時間停車する場合でも暖房は付けっぱなしが普通ですので燃料が充分にないと大変なことになります。
また雪道は埋もれるほどでなくても想像以上に走行抵抗が大きく、これも燃費を悪化させる要因です。

その他として「毛布やスコップなどを積んでおく」なども必要ですが、上記「1、」と「2、」を守るだけで8割以上の事故は防げるはずです。

以下はこれらの基本を守っているという前提のもとに他車からもたらされるトラブルについて書きます。
車体の接触以外は全て私が実際に経験したことです。

●車が道路と直角方向を向いて雪山に突っ込んで車線をふさいでいる
まっすぐ走っていたはずの車が道路と直角方向を向いて路肩や中央分離帯の雪山に突っ込んでいたのです。
もちろんこれで1車線分は塞がれることが多いです。片側2車線以上ある道路でも渋滞になります。
でもこの事故って冬は全然珍しくありません。北海道内あちこちで普通に見れます。

言い方を変えると車は簡単にスピンするという事です。
「いつもよりほんの少し強くアクセルやブレーキを踏んだ」、「ハンドルを大きく、素早く切った」などだけで車体は想像もつかない方向に向きます。

そうでなくても雪国生まれの人は冬道に自信があるからなのか(私は車の運転の自信というものは全て過信と言い換えています)、路面が滑る、視界が非常に悪い吹雪であってもお構いなしに飛ばす人も多いです。特に北海道は夏はもちろん冬でも少しでも天候が良ければ50km/h制限の道を平気で80~100km/hで飛ばします。だからこのような運転をすれば事故って当たり前なのです。

また強くアクセルを踏むという傾向は近年の車の問題にもあります。
それは国内で売られている4WDの9割くらいは「滑って初めて4WDになる」パターンの車だからです。

ディーラーの整備士の方に直接聞いたこともありますが、同じ車種で「常に無条件で4WD」と「滑った時だけ4WD」の車では前者の方が10%くらい燃費が悪くなるそうです。
だから殆どの車は雪道でも滑らなければ2WDのままなのです。そしてこの機能は「発進時のみ有効」という車種もあるそうで、走り出してからの滑りは無視されるものもあるそうです。

路面凍結したコンビニの駐車場などでよく見ていると、前輪が激しく空転して1歩おいてから後輪が動き出して発進できるという車を見ることも出来ます。
運転手は「この車は4WDだから」という考えが常にあるのでしょう。発進時に空転して上手く発進出来ないとあれ?と思ってアクセルをがばっと踏むのです。

そしてスムーズに発進できれば良いのですが、路面状況などにより時として車体が激しくスピンすることがあるのです。
北海道、東北の方の「スピンして動けなくなっている車は圧倒的に4WDが多い気がする。2WDの方が少なく感じる」という話しを聞いたことがありますが、これは「滑って初めて4WDになる」という特性の結果なのではと思います。

ですから「急の付く操作はしない」と並んで4WDであっても自分の車の特性を十分に知っておけばより安全な運転をすることが出来るのです。
4WDの特性はカタログや取説に書かれていないことも多いので、ディーラーで確認されることをお勧めします。

大型トラック/ダンプがバックで坂を下りて来る
これは登坂での事ですが、大型のダンプカー(10t)が片側1車線の対向車線をハザードを点けてバックで下りて来たのです。
隣の車線にいた私も全身が凍り付く思いでした。

ダンプがバックで下りて来た理由は、登坂を登り切れなかったので停まった場所から下に降りようとしていたのでした。

その道は鉄道を越える跨線橋でしたが、ロードヒーティングはなく積雪量は極めて少ない物のツルツルに凍結していたのです。

ダンプカーはFRでしたので登坂の凍結路面でいったん停まる、または停止直前くらいの速度まで落とすと坂を登れなくなります。
一部の方で「乗用車のFR (FFも) がそういう場面で登れなくなるのはよくある事だが、ダンプなどは重量が非常に重いので登れる」という意見もありますが、確かにそういう場面もあるかもしれません。

しかしやはりツルツルの凍結の登坂は無理なのです。
重量があってタイヤが太くてもタイヤの設置面積はとても小さいものです。ですから駆動輪を上から押し付けるエンジンなどの重たいものが無ければ駆動力が地面に伝わらないのです。

もっとも荷物満載であれば多少違ったかもしれませんが、土砂や排雪の雪を満載のダンプが登坂の信号待ちに掛からないように、坂の大分手前の平坦路で信号が変わるのを待っている光景を札幌市内でも何度も見ています。

ですから凍結だとあれほどの巨体でも無理なものは無理なのです。




●猛吹雪で視界が2~30mの中、いきなりトラックがバックしてくる
これは先述のダンプが坂をバックで下りて来るというのとほぼ似たような場面なのですが、極めて緩やかな登坂の交差点で経験しました。
やはり坂の途中で赤信号で停まってしまい、青になってもFRなので登れなかったというパターンです。
先述のダンプの例と異なるのは「ホワイトアウトに近い猛吹雪でもバックしてくる。しかもテールランプがほぼ見えない」という状況です。

トラックにしてみれば登れないものは登れないですから一旦バックして平坦路から勢いをつけようとしたのでしょう。
でもそのトラックのテールランプやハザードランプが直前まで近づかないと見えないのです。

理由はランプ部に大量の雪が付着して点灯していても見えないのです。

車が雪や泥の水溜まりの中を走ると、車両の前よりも後部の方に雪や泥が非常に多く付きます。
これは車両が雪や泥の中を前進すると車両後部の左右に渦が出来るからです。(カルマン渦と言います)

どんな形状の車体であろうが運転に工夫をしても物理の原理の法則なので後ろに付かないように走ることは不可能なのです。

でも多くのドライバーは自分のテールランプの見え具合なんて考えませんので、そのままホワイトアウトの中をバックすれば大事故につながります。

休憩や給油などで停車した時にこまめにテールランプの雪や泥を除去するしか方法はありません。
トラックも2~4tクラスの一部車両を除いてほぼすべてFRですので凍結だとごくわずかな登坂でも停止すると発進が困難になります。

●路肩の雪山に進行方向に車両が突っ込んで運転席から脱出出来なくなる。
雪山に直角方向ではなくて進行方向に突っ込んだ車両もよく見ます。
多くは左車線の路肩の雪山に突っ込んでいるようでした。スピードがやや高めで運転し、路面凍結で制御不能になったのかもしれません。

「 進行方向ならば大した問題ではないのでは?」と思われるかもしれませんが、路肩には除雪された高い雪山 (2m超) があることが多く、ここにある程度の勢いをつけて突っ込むと雪も固まっていますので乗り上げて車体が斜めになったり、車道側にはじかれて他車と接触事故を起こす可能性もあります。

私が見た事例では、視界不良の中ぼんやりと路肩にハザードが見えて来たので最徐行で接近すると大型のセダンが雪山に乗り上げてほぼ45度車道側に傾いて停まっていました。

運転席側は車道側でしたので、車体の右側のドアからは乗員は脱出できず、かろうじて開けた助手席側のドアから這い出すように運転手が降りていました。

一歩間違えれば完全に横転していた可能性もありました。

 

以上はまだ序の口かもしれません。
細心の注意をはらっていても他車の事故のとばっちりを受けることは普通にあります。
もし自分が引き起こした事故・トラブルだったら猛吹雪の中多くの他の車に迷惑をかけることになります。

そして助けを呼んでもなかなか現場に来てもらえない、来てもらっても救助に時間がかかってしまうなどとなるのです。
場合によっては1台の車が引き起こしたトラブルで道路は吹雪の中数時間以上も閉鎖になりかねません。

しかし防ぎようがない事故も冬は非常に多いのです。

猛吹雪が予想される前にはTVやネットで「不要不急の外出はしないでください。」、「命を守ってください」、「万全の備えをしてください」などが再三呼びかけられます。



冬の事故、トラブルを回避するには

猛吹雪の日に先述した「急の付く操作をしない」、「燃料は充分に」などを前提として回避方法はたった一つしかありません。

それは車で外出しないこと、です。

人によっては「そんなの絶対に無理」と仰ることと思います。

事業用車両(トラック、タクシー、バスなども)の運転、どうしても〇〇まで人を運ぶ・迎えに行くをしなくてはならない、など様々な理由はあると思います。

事業用車両に関しては会社や運行管理者に任せるしかありません。天候を充分に把握して適切な運行管理をしてくれるか、或いは「仕事だから行け!」の一言で片づける会社なのか?。
(後者は結果として大事故になって社長や経営者が頭を下げる事例が多く、法的に処分されることも多いですね。)

個人での車の外出はやはり踏みとどまるべきと思います。

もちろん個人でもそれが難しい場合も多くあると思いますが、今はTVやネットで直近の天候の詳細を知る事の出来る時代です。
スマホでしかも無料で数時間先までの詳細な雪雲の動きまで見れてしまいます。

そういう情報を駆使してからの外出とすべきです。
冬は天候の急変が多いので狭い地域のみが猛吹雪という事もありますが、冬は普段から詳細な天候調査をする事を癖にすべきと思います。

それにしても猛吹雪や非常に濃い霧の中を制限速度の倍とかで走る車の多いことにはあきれ返ると同時に巻き込まれたくないとすがるような気持ちで私は運転しています。

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