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どんなに慎重な運転をしても恐ろしい事故のある冬

細心の注意を払う必要のある冬道

冬道は「路面凍結(ブラックアイスバーン含む)」「吹雪で前が見えない(ホワイトアウト)」「シャーベット状の雪でハンドルがとられる」など多くの恐ろしい罠が待ち構えています。

全身の神経を研ぎ澄まさせて、細心の注意を払って運転することはもちろんですが、それでも起きる時には事故は起きます。

他車や歩行者を巻き込まない単独でも大事故を起こすこともあるのです。

では「どういう事例があるのか?」、「どうすれば防げるのか?」を本記事では考察してみたいと思います。

 

【本記事でご説明する内容はすべて「冬道を考慮した慎重な運転」、「法律順守の運転」、「飲酒など無謀な運転を除く」ということを前提としております。】

冬道での事故の例と原因

代表的なものをいくつか挙げてみます。

◆ ブラックアイスバーンでのスリップ

参考記事: 普通の凍結路面とブラックアイスバーン

もっとも滑る路面は明らかにブラックアイスバーンです。
恐ろしいほど滑り、かつこの路面上で滑り出したら一切のコントロールを失います。

過日札幌市内のある駅近くでスリップして電柱にぶつかり大破した車がありました。

極限まで速度を落とし慎重に運転していたようですが、ブラックアイスバーンでスリップしてコントロールを失ったのです。
ブレーキを踏もうが何をしようが車は言うことをきかなくなります。

朝だったようなので余計凍結状態が厳しかったと思います。

ドライバーがどのような運転をしたか分かりませんが、速度が出ていなかったとすると考えられるのは【ハンドルを切りながらアクセルやブレーキを強めに踏んだ】可能性があると思います。

私の経験上で恐縮ですがブラックアイスバーン、通常の白い氷の凍結路面に関わらず、凍結路面上でハンドルを切りながらアクセルやブレーキをある一定以上強く踏むと9割方大きくスリップします。

ある一定以上、というのは感覚的な言い方になってしまい実際の表現は難しいのですが、安全な踏み代は「足の指で触れる程度」の踏力と思ってください。

出来ればツルツルの凍結路面のカーブは一切ペダルには触れず、かつハンドルの切れ角も最小限にしないと滑って恐い思いをします。

勘違いする人として、「4WDでは滑らない」とか「新品のスタッドレスタイヤを履いている」、「この車は雪道走破性が特に良い性能を持っている」とか言って過信する人がいますがとんでもない事です。

凍結路面に限らず冬道ではこれらは一切無関係です。
特に4WDが威力を発揮するのは発進時だけです。それ以外の走行中や制動中は2WDと差は殆どありません。

「4WD は限界性能が高い」という人がよくいますが、では限界性能で公道を走るのですか?と聞きたいです。
限界性能と言ってもそれは一般公道ではやってはいけないほど危険な運転をした場合に差が出るかもしれませんが、普通は差なんて出ません。

4WDでは走行中も凍結路面ではカーブの飛び出しが少ないと言われますが、でも車種に関係なく50km/h以下の場合ですし、売られている4WD車の9割は「発進時だけ4WD」または「発進時に滑った時だけ4WDで発進したらFF」という車なので4WDだからどうこう言うのは無意味です。

関連記事: 北海道の車は4WDでないとダメなのか?

 

また凍結路面ではタイヤは路面表面上に出来た薄い水の膜を介して乗っかっているだけなので、少しでも大きな駆動力や制動力、そしてハンドルの舵角が加わると水の膜の上に浮いた車体は何処に飛んで行ってしまうか分からない状態なのです。

しかもブラックアイスバーンは一般の氷と違って表面の平滑度が高く、真平な状態なので滑り出すと表面の突起が少ないので停まらないのです。

つまり極低速(たとえ5km/h以下でも)でハイドロプレーニング現象が起きるのです。

降雨時のハイドロプレーニングは概ね80km/h以上でと言われますが、凍結路面だと完全停止状態に近い速度でも起こります。




◆ホワイトアウト時の追突

猛吹雪で前面が真っ白になり何も見えない状態のことをホワイトアウトと言います。
冬の北海道ではよくあることで、札幌の中心地に近い場所でもあります。

酷い場合は10m先が全く見えません。
10mというのは大よそ一般的な車間距離を含めた車2台分の車長の長さと同じです。

ホワイトアウトはいきなり発生することが多く予測は出来ませんし、どこで起きるかも分かりません。
前述したように札幌中心地近くでも起きます。

ホワイトアウトは予測できないと言っても「激しい吹雪が予想される日、時間帯」では起きる可能性が高くなります。
そのような時は車の運転をしないことが一番です。
テレビでも「不要不急の運転はしないでください」と呼びかけることが日常的にあります。

しかしそうは言っても仕事でどうしても車を使う必要がある、通院や送迎でどうしても必要という人は多くいます。
それらの人のためにホワイトアウトが起きるかもしれない日の運転の注意をいくつか挙げてみます。

1.日中であっても必ずライトを点ける。
驚くのは猛吹雪の中でもライトを点けていない人が結構多いのです。
恐らく「まだ昼だから」、とか「運転席から前は見えるから」というのが言い分でしょう。

こういう人はライトの使い方を全く知らないと言わざるおえません。
車のライトは前方を照らして運転席から見えやすくするためだけにあるのではありません。

半分は前方を照らすためですが、半分は「他車や歩行者からこちらの存在を発見してもらうため」にライトはあるのです。

ぜひ積極的にライトを点灯してください。
なおヘッドライトは「先行車や対向車がいない」状況ではハイビームにして(道交法に規定あり)、いる時はロービームに切り替えるという事を頻繁に行うべきものですが、酷い吹雪の時はロービームのまま走ることをおススメします。

理由は吹雪にハイビームを当てると、猛烈な雪からの反射で前面が非常に眩しく結果として危険だからです。

なお北海道を走る車でもフォグランプが付いていない車も多いですが、通常のライトを点ければ気にする必要はありません。

2.カーナビで交差点の位置を把握しながら走る。
かなりの比率でカーナビを装着している車が多いと思います。

カーナビが付いているならばぜひ交差点の位置を把握しながら走ってください。
これだけで衝突事故は防げます。

ホワイトアウトが起きると目の前にいきなり停車中の先行車や信号機が現れます。
交差点の位置がある程度把握出来れば「交差点が近いので高い確率で停まっている車がいるはず」と予測できると思います。

もちろんカーナビ画面を注視は危険ですし、「田舎だから交差点でも大丈夫だろう」という「だろう」運転はもってのほかです。

3.走行中も時折ブレーキペダルを数回に分けて踏む
これはどういうことかというとブレーキをかけなさいという意味ではなくて、「ブレーキランプを点滅させなさい」ということです。

ブレーキペダルを踏めばブレーキランプが点灯しますが、点灯は後続車に注意を促す効果は少ないのです。
しかし点滅であれば後続車から目立ちやすいので早めにこちらの存在を気づいてもらえます。

最近自転車のヘッドライトは点灯ではなくて点滅の物が増えて来ましたが、これも同様の理由です。

家の玄関や駐車場に付ける人の動きを感知して明かりが点く防犯ライトも点灯は効果が少なく、点滅の方が抑止力が大きいと言われています。

後続からの追突を防ぐにはお互いの安全運転の意識が必要なので難しい部分も多いのですが、一工夫で事故の発生確率を激減できます。

 

以上のように冬道の恐ろしさは体験してみないと分からない部分が多いのですが、速度を落として一工夫すれば事故に遭遇する確率を激減出来るのです。

ぜひ慎重な運転で冬を乗り切ってください。

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