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北海道の車は4WDでないとダメなのか?

北海道の車はすべて4WD?

↑ このように思っている人は非常に多いと思います。

道外の方で初めて冬の北海道で運転する、あるいは北海道に移住するという方よりも生まれ育ち共に北海道という方の方が[ 4WDでなくてはならない。] という意識が強い気がします。

確かに4WDは冬には抜群の性能を発揮してくれます。

凍結路からの発進、特に坂道発進にはなくてはならないほどと思います。

でも「絶対に4WDでないとダメ!」という人の殆どは実は2WDで痛い目に散々あったとかの経験をされていない人が多いのも事実なんです。

もちろん2WDで苦労したのでやはり4WDというのは理解できます。

でも生まれて初めて乗った車が4WDで、その後買い替えたり借りた車が総て4WDだったら2WDと比べようがないと思います。

私が現在乗っている車は東京からそのまま持って来た国産のFF車で寒冷地仕様の改造もしていません。

確かに凍結の発進では色々と困ったこともありましたが、「FFという駆動方式ゆえにどうしようもなく困った」という事は一度もありません。

また寒冷地仕様の改造もしていませんが、エンジンがかかりにくいなどのトラブルも皆無です。

大昔ならばいざ知らず今の車は無理して寒冷地対策しなくても問題はありません。

シベリアで運転でもしない限りはということです。

ではなぜ寒冷地仕様があるのか?ですが調べるとどうやら昔からの流れでメーカもディーラも今更「今の車は寒冷地仕様にしなくても大丈夫ですよ」と言えなくなってしまったというのが本音のようです。

でも寒冷地仕様の良いところはヒータが強化されていたりするので室内がより快適などの利点はありますけどね。

ちょっと脱線しましたが、北海道を走る車で4WD 以外のものを以下に挙げてみます。


・バス: すべてRR

・トラック: 大きさ問わずほぼすべてFR

・タクシー: 個人タクシーの一部を除き殆ど全てがFR

・一般乗用車: 4WDが多いが北海道内でも非常に数が多いプリウス(3世代目まで)やアクアはFF、その他大型セダンの一部などはFRが多い。


ちなみに2015年に北海道で一番売れた乗用車はトヨタのアクアだそうです。

これはFFのみで4WDの設定はありません。でも一番売れたのです。

どうですか?北海道は4WDが殆どというのは実際は違うという事がわかりますよね?

北海道のタクシーの実態

先に述べたようにタクシーの殆どはFRです。(CREWなどが多い)

個人タクシーで4WDを使っている車もありますが極めて少ないです。

あとはプリウスのタクシーが多いのでこれはFFですね。(3世代目までのプリウス)

冬道で最悪の駆動方式はFRです。

なぜならば駆動軸(後輪)の部分に充分な荷重がかからず駆動力が地面に伝わりにくくなります。

滑る路面では駆動輪を上から地面に押さえつけなくてはいけないんです。

もちろん夏場は問題ありませんが冬場、特にツルツルの凍結路面では平坦路の発進が大変で、発進後にちょっとハンドル切っただけで後輪が大きく振られて大変なことになります。

冬のススキノあたりでタクシーを見ていると発進時や発進後も後輪が大きくスリップして車体後部が振られているのをよく見ます。

こういうタクシーの横を通ろうとするとぶつけられそうで恐いです。

とにかくFRは本当に苦労します。

飲んだ帰りにタクシーの運転手さんとその話をしたら「たまにプリウスのタクシーを運転することがあるが、あれはFFなので本当に楽」と言っていました。

こうなったら4WD以前の問題です。

とにかく殆ど圧倒的多数のタクシーはFRなので冬は道を選ぶんです。

だから「お客さん、すみませんがそこはきつい登坂があるので坂の下で勘弁して下さい。」とか「登坂を避けるために遠回りしますがいいですか?」とか乗った直後に言われることがあります。

また冗談みたいですが、坂を登れなくなって車体後部をお客さんに押してもらったとかウソみたいな本当の話しもあるんですよ。

4WDとは常時4輪をエンジンで駆動しているか?

こんなこと言うと、「そんなこと知らないのか?あたり前だ!」と怒られそうですが実は違うんですよ。

4WDにはいろんな種類があります。

・フルタイム4WD

一番古典的なもので常に4輪が駆動されるので走破性は良いが燃費が悪くなる。

・スタンバイ4WD
メーカによって呼び名は多少異なるが現在主流の方式。

基本はFF(または一部FR)で、FFであれば前輪が滑って空転した時だけ後輪に駆動力が伝わる。

後輪が動き出して前輪のスリップが減るとまた自動的にFFに戻る。

現在4WDと言われて販売されている車の殆どはこの方式。メーカによってはフルタイム式は1~3車種しかない会社もあるほど。

なお走り出した後に前輪が滑った場合は、「その時だけ後輪にも駆動力を伝える」車種と、「走り出したら滑ってもFFのまま」の2種類がある。

・e-4WD
FFであるが後輪にクラッチのついたモータを装備しており、発進時のみまたは滑った時のみ後輪をモータでアシストする。

昨年12月に発売になった4代目プリウスはこの方式。ハイブリッドカーも安価に簡単に4WD化出来る。
なお走り出した後に滑った場合は上記のスタンバイ4WDと同じでメーカや車種によってマチマチ。

 

現在国内で4WDの名前で売られている車の9割以上はスタンバイ4WDです。
カタログなどで特に謳っていなくてもスタンバイ4WDのはずです。

理由は凍結路面の発進が楽になるのと同時に基本はFFなので燃費もよくなるからです。
フルタイム4WDとスタンバイ4WDでは車種によりますが10%くらい燃費が違うそうです。

ディーラからもそのように説明されました。

でも道外の人も含めて多くの人は未だに4WDは「常に4輪に駆動力がかかっている」と思っているようです。

冬のある日お店の駐車場でぼーっと車を見ていたら殆どの車は発進時に前輪が激しく空転し、その直後に後輪が車体を押すように動き出していました。

後輪が車体を押し出すように見えた直後には前輪の空転はすぐに止まり安定した走りになっていました。

これがまさしく今主流のスタンバイ4WDなんだと思います。

ですから4WDと言っても基本はFFなので発進後は過信はしてはいけないのです。



4WDは冬道は素晴らしいが過信しやすい

これも北海道に限った話ではないです。

東北や新潟などにお住まい方の記事や書き込みを拝見すると4WDは過信しやすいという事が多く書かれています。

どうも4WDは万能選手だと思っているんですね。

確かに凍結路面の発進は絶対に4WDがいいです。

(凍結でない普通の雪道は2WDでも殆ど変わらない)

我が家のFFだと発進が出来ないことはなくても難儀します。特に登坂です。

次に車を買う時は4WDを買おうと思っています。

でも2WDで学んだ駆動輪の位置を意識するとか、丁寧な運転は生かしたいと思っています。

 

冬道の発進はアクセルをじわーっと静かに踏んで発進すべきと昔から言われていますが、4WDに乗っている人は発進時もアクセルをガバッと踏む人が多いです。

だから前述したように「前輪が激しく空転→後輪に駆動力が自動的に伝わる」という事になるのです。

ところが発進時から強くアクセルを踏む人が多いので、札幌市内でも発進時に車体が大きく振られて向きが180度変わってしまって大騒ぎしている車を見ることがあります。

こんなことに巻き込まれたら歩行者でも他車でも大変な迷惑です。

でも4WDを乗る人にはこういう運転をする人が圧倒的に多いです。

もちろん氷の上に雪が殆どかぶっていないツルツルのスケートリンク状態の道では皆慎重になります。

スケートリンク状態の路面とはこのような ↓ 路面です。(クリックで拡大)

Iced-road

路面表面の黒い粒は滑り止めに撒いた砂です。

この上を車が走り人が歩くのです。

 

スケートリンク状態の路面であってもやはり4WDへの過信が強いです。

4WDの運転は2WDと違い駆動輪の位置をあまり考えていないようです。

2WDだと冬場は、「もう少し前で止まった方が駆動輪が氷を避けられるので次回の発進が楽」とか考えるんですが4WDだと「いかなる場所からも発進は問題ない」と思う人が多い気がします。

また多くの北国で暮らす方の書き込みを読むと大変興味深かったのが、「冬にスピンをして事故を起こしているのは殆どが4WD」と書いている方が何人もいらっしゃいました。

いろいろと調べていくと、スピンを起こしやすい、起こした時にスピンが止まりにくいのは4WDだそうです。

やはりアクセルをガバッと踏む→前輪が空転→後輪にも駆動力が分配→路面状況が悪いと片側が滑ってデフで片方の車輪に駆動力が集中する、となるとスピンを起こして止まらなくなるのもなんとなくわかる気がします。

4WDも過信をせずに2WDのように慎重に運転をするべきですが、まず4WDに乗るドライバー全員が、「実はこの車は常に4輪に駆動力がかかっていない。」という事を知るべきですね。

 

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