冬のカーナビの利用法について
冬はカーナビは諸刃の剣
今やすべての車にとは言いませんが非常に多くの車にカーナビが装備されていてタクシーにも付いていますね。
道案内に便利なだけでなく実は冬独特の使い方があるのです。
便利な反面、冬の運転でカーナビのおかげで酷い目にあったという事もあるのです。
「言われてみればそうだな。」と思いつつ意外に気が付いていない部分をご紹介したいと思います。
冬にカーナビが威力を発揮するのは?
冬でも夏でもカーナビの使い方に基本的には差などありません。
音声案内を使う、単に地図を出しておくだけで周辺の様子などもよくわかると利便性に季節や時間など無関係です。
ではなぜ冬に便利なのか?ですが、ここで「威力を発揮する」というのは猛吹雪の時の話です。
北海道に限らず東北、北陸、時として山陰地方などでも目の前数mが見えなくなるほどの猛吹雪に襲われることがあります。
いわゆるホワイトアウトという状態で車の周辺360度全て真っ白で何一つ見えない状態になります。
実は札幌市内の中心地に近い場所でも発生します。ましてや郊外に行ったらホワイトアウトに遭遇する確率はグンと高くなります。
雪や吹雪の日はライトをつけるのは当然ですが、猛吹雪やホワイトアウトになると黄色のフォグランプをつけても他車から全く見えなくなります。
徐行しながら顔を乗り出して慎重に運転していてもいきなり目の前に交差点や停止中の他車が現れることがあります。
気象状況によっては少しだけ雪が降っていると思ったらいきなりホワイトアウトになることもあります。
↓段々こうなってくると信号が見えなくなる・・・
↑このようになってきたらホワイトアウトになる可能性が極めて高く、大変に危険な状況です。
そしてもっとひどくなると、、、↓
目の前直近のものがぼんやりと見える程度になり、この状態では先行車のテールランプやテールフォグは相当近づかないと分からなくなります。
ついには、、、↓
全く何も、物体の輪郭さえ見えなくなります。
この↑写真は四角を白く塗ったものではなくて、実際のホワイトアウトの状態です。
本記事の背景色が白なので分かりやすくするために黒の縁取りを入れただけです。
こんな状態で運転など恐ろしくて出来ません。
でもカーナビがあれば最低限、交差点、踏切、行き止まりが分かります。
私もカーナビのおかげで恐い思いをしなくて済んだことが何度もあります。
ただし、先行車や歩行者は分かりませんので徐行して慎重に運転し、出来ればホワイトアウトになった、なる前に安全なところに車を停車させるか車での外出は控えるべきなのです。
「外出は控えるなんてムリ」という人も当然います。プロドライバーやどうしても車でないといけない用事の人もいますからね。
でも命に直結しますので、天気予報を十分にチェックして出発する時間を調整する、ホワイトアウトが起きそうな場所(例:風を遮る場所が少ない平原、山中など)を避けて運転するなどの配慮が必要です。
冬の北海道では天気予報などで、
「猛烈な吹雪が予想されます。不要不急の外出は避けてください。車の運転も控えてください。3日程度の食料などを確保してください」
と呼びかけることがよくあります。それほど恐ろしくて命に関わることです。
カーナビを使っても気をつけてほしいこと
先に述べたようにカーナビを使えば交差点、踏切などが分かりますが徐行や停車している先行車、歩行者はわかりません。
ホワイトアウトになると多くの人が体を乗り出すようにして前を注視して運転すると思います。
でもカーナビで交差点などをチェックしながら運転しているとどうしても前を見るのがおろそかになり、真っ白の中からいきなり停止中の先行車が現れて追突、という事も冬の北海道では珍しくありません。
また凍結路面では乾燥路面の10倍の制動距離が必要、といわれるほど停まりませんし、目で見て分からないほどの緩やかな下り坂でも5km/hの速度しか出していなくても停まりません。
だからカーナビはあくまでも補助として使い、吹雪が酷くなったら運転しない、安全なところに駐車して収まるのを待つという勇気が必要なのです。
吹雪、凍結路面がどれほど恐ろしいかのビデオがあります。
北海道警察が作成したものですのでぜひご覧ください。
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