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普通の凍結路面とブラックアイスバーン

冬道の恐ろしさ

北海道に限らず、また言うまでもなく冬道は本当に恐ろしいです。
「慣れれば平気さ」と言う人がいますが、とんでもない過信です。

同じ場所でも午後になれば状況は変わる、もちろん明日になればもっと変わります。

私も関東から北海道に移り住んで8年経過しますが未だに冬道はおっかなびっくりで運転しています。

特に恐ろしいのは以下のようなことです。


吹雪で前方が見えない。
ホワイトアウトとか言ったりしますが、札幌市内でも10数m先が見えなくて恐い思いをします。
よほど止むおえない理由がない限り車の運転や外出はすべきでありません。

テレビでも「危険です。不要不急の外出はしない、車に乗らないようにしてください。」とアナウンサーが訴えることもしょっちゅうあります。

↓実際のホワイトアウト状態

路面凍結
スケートリンクのようにツルツルになります。
4WDでもクロカンでも無関係にコントロールを失います。
ブレーキかけても5km/hでも停まりません。
そのような時は路肩の雪にタイヤ若しくは車体を突っ込んで停めるしかありません。

ツルツルの凍結路面では(後述するブラックアイスバーンも)、スタッドレスタイヤでも乾燥路面の10倍以上の制動距離が必要と言われています。


なお圧雪や普通に雪が積もった状態は恐くありません。

圧雪だと制動距離はそれなりに伸びますが、凍結ほどではないです。

凍結路面の特徴

普通の凍結路面とは、そのものズバリ雪が凍って氷になったものです。
この凍結路面もツルツルとガタガタがあります。

ツルツルはスタッドレスタイヤで路面が磨かれてツルツルになるのです。
特に交差点に多い路面です。

 

ガタガタの方は交通量が極端に多くなく、かつ交差点でない場所に多い凍結路面です。
雪が積もって凍結しても車の走行で削られて氷がガタガタになります。

なお幹線道路のように交通量が多い道路では真冬でも殆ど路面に雪や氷はありません。
理由は車の走行で(タイヤの摩擦熱)路面温度が上がり雪が積もったり凍ったりする時間が出来ないからです。

 

場所によってはビックリするくらいの深い穴が開いていて(特にマンホール部分)、そこにタイヤが落ちるとひどい衝撃で車が壊れるのでは?と心配になることもあります。

マンホール部は場所によりますが、その下に水が流れているので道路表面の凍結部分よりは多少温度が高く、周辺の氷が抉られた状態になるのです。
深さは場所により30cm 近くにもなることがあります。

↓これは積雪が少ない状態。

ブラックアイスバーンは運転席から見ると(歩行者の目線で見ても)、「濡れているのか」、「凍結しているのか」分からない状態です。
パッと見だと路面は黒くなっていて、単に濡れているようにしか見えません。

でも冬はツルツルに凍結していることが多く、恐ろしいほど滑るのです。

↓ブラックアイスバーンの一例
 雨で濡れたのではなくて凍結しています。

ブラックアイスバーンで気を付けて欲しいのは、日中陽が出て暖かくなって来ても凍結が融けない部分が多いのです。

普通に考えれば、「朝凍結していても、太陽が出て気温が上がれば氷は融けるので道路も安心」と思うでしょう。

しかし夜~翌朝気温が下がりその後陽が出るという事は、路面の凍結もそのままの場合が多いのです。
理由は【放射冷却現象】にあります。


放射冷却というのは太陽によって地表は温められますが、温まって地表の氷や雪が融けるのではなくて、その熱は対流現象で空の上の方に上って行きます。

結果、太陽が出ていても地表の気温は低くて寒いという事が起きるのです。

体感的に特に寒いと感じるのは雪が降る直前と、雪が降った後に太陽が出た時です。

しかし対流で暖かい空気が上昇するのは無限ではなくて、ある程度の時間太陽が地表を照らすと、今度は地表の温度がどんどん上がっていき、この時点で初めて雪や氷が融けるのです。

ですから太陽が朝から出ていても、太陽の恩恵で雪や氷が融けるにはある程度時間が必要になります。

日が当たっている路面は濡れているだけ、と断定するのは間違っているという事です。


とにかく冬の季節は日があたっていても、濡れている部分はすべて凍結と思ってちょうどよいと思います。
これは歩行者の方にも言えますので歩道を歩く時、特に滑りやすい横断歩道(塗装面)はお気を付けください。



普通の凍結路面とブラックアイスバーンはどっちが滑る?

私の経験から言いますので異論がある方もいらっしゃるかもしれませんが、圧倒的に【ブラックアイスバーン】の方が滑ります。

根拠があります。

普通の凍結路面は元々雪が積もって凍結し、車の走行で削られたものですので表面はかなり凸凹しています。

氷であっても凸凹があるという事はタイヤに対して摩擦が大きいという事です。
だからブラックアイスバーンほどは滑らないのです。

もちろんこの凸凹が曲者で、ハンドルがとられるなどで恐い思いをすることもあります。
しかし極端な凸凹面を避ければ何とか走ることは出来ます。

 

ブラックアイスバーンは発生原理が普通の凍結路面とは異なります。

雪が融けた水で路面が濡れて、それが夜間の低温で凍結したものがブラックアイスバーンです。
だから表面が物凄く平滑なのです。

凸凹が少ないという事ですから、タイヤとの摩擦は極端に小さくなり恐ろしいほど滑ります。

もちろん普通の凍結路面でも平滑のツルツル部分はありますが、ブラックアイスバーンに比べたらまだまだ凸凹は多い状態です。

さらに恐ろしいのは普通の凍結路面では凸凹の状態が速度を出していなければ分かりやすいので、安全な部分を選んで走行することが出来ますが、ブラックアイスバーンはじっくり見ても車から降りて見ても凸凹部分は殆ど無いので「全ての部分が平滑でツルツル」状態になっています。

 

冬に路面が黒く塗れている部分を見たら日中であっても、

・ブラックアイスバーンと決めつけて運転する。

・速度を十分に落として濡れている部分に進入する。

・濡れている部分ではハンドルを切りながらアクセルやブレーキを踏まない。

という3つを守れば比較的安全に走り抜けることが出来ます。

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