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冬道でのFR車の運転は?

冬道でFRを運転する

冬道でFR車は最悪、とよく言われますがツルツル路面の札幌とかでもFR車はよく見かけます。

実際に冬道でFR車を運転するということはどうなのでしょうか?

冬の北海道でもFR車はたくさん走っている

以下の参考記事もご覧下さい。

北海道の車は4WDでないとダメなのか?

FRで一番多い車はタクシーです。

タクシーで4WDは個人タクシー、及び法人タクシーのごく一部となります。

これはタクシーは基本車両を安く調達しなければならないので、どうしても全国的に多量に出回っているタクシー用の車種、結果としてFRが多いので雪国でもFRが多くなってしまうのです。

この事をタクシーの複数の運転手に直接聞いたことがあるのですが、以下を教えてくれました。

 

●冬道のFRは本当に苦労する。緩やかな登り坂でも登れないことがあり、お客さんに登り坂でないルートを了承してもらったりする。

●会社のタクシーでたまにFFに当たると、「FFで本当に良かった」と胸をなでおろす。それほどFRは大変。

●後部トランクにLPガスのタンクがあって、それが重石になりある程度後輪にもトラクションはかかるので、一般ガソリン車のFRよりはマシ。でもFFには適わない。

●FRの後輪にチェーンを巻くと発進が大分楽になる。でも坂道発進は相当きつい。
しかし自分も(その運転手さん)同僚もチェーンはまず巻かない。

理由は冬の北海道でも交通量が多い幹線道路は車の熱やロードヒーティングで凍結、積雪共に皆無の場所が多く、その場所だとどうしても速度が上がるので(法定速度内でも)チェーン切れなどのトラブルが恐いから。

 

なるほどと思います。
冬のススキノで発進時に豪快に車体後部を左右に振って走っているタクシーをよく見かけます。
そばにいたら確実に接触事故を起こすだろう、というくらいの車体の触れ幅で、私は冬道ではタクシーに近づかないように心かけています。
(特に赤信号からの発進時)

それにしてもやはり2種免のタクシー運転手のテクはすごいです。

またトラックもFRが多いのですが、これは(特に大型は)車重自体が重たいためか発進時に難儀している車両はそれほど見かけません。
きっとドライバーはそれなりのテクを駆使ているとは思いますし、やや小型のトラックは後輪にチェーンを巻いている車両も見かけます。
(スタッドレスの上にチェーンを巻くのです。)

バスはほぼ全てRRですが、エンジンが駆動輪真上なのでトラクション的にはあまり問題がなさそうですが、路線バスを中心にやはり後輪にチェーンを巻いているバスも見ます。恐らく凍結の坂道対策ではと思われます。
都市間高速バスでは巡航速度が高いのでチェーンを巻くことはあり得ません。

以上より冬の北海道でも雪道に弱いといわれるFRが意外に多い、言い方を変えると4WD以外も多いということがわかります。

特に最近はハイブリッド車が増えていますのでFFも相当な数走っています。(うちの車もFFですが)

ハイブリッドでも後輪に小型のモーターを装備して発進時に4WDになる車種も増えてきましたね。



冬道でのFRの運転は?

残念ながら私は冬にFRを運転したことがありません。
なのであまり無責任なことは書けないのですが、「タクシー運転手に聞いたこと」、「知り合いに聞いたこと」、「その他自分で見聞きしたこと」を統合してコツなどを書いてみます。

 

▼ごく僅かな登り坂(視認で判らない程度)でも凍結だとFRは発進が極めて難しく、そのような場所から発進しようと思わず、停車時に後輪(駆動輪)が少しでも路肩の雪に接触出来るような場所で停めておくことが必要。

FFでも4WDでも同じだが、駆動輪に雪を噛ませておくと発進は比較的楽になる(停車時は前輪のみで可)。

▼発進時、可能であればハンドルを左右いずれかに多少切った状態で発進し、起動したら直ぐにハンドルを真っ直ぐにする。
路面の状態にもよるが、全てのタイヤが進行方向真っ直ぐになっているよりは起動しやすい。

発進時に車に進行方向の抵抗を与えた方が凍結路面では発進しやすい場合がある。

▼冬は燃費悪化覚悟でトランク(駆動輪真上)に重たいものを乗せておく。
例えば米、コンクリートブロック、その他重いものが入ったダンボールなど。

 

東北地方のある人が面白い実験をした記事を読んだことがあるので簡単に紹介します。


・うちの車はFRのセダン(車名は?)なので冬は最悪。なので冬はトランクにデッドウェイトを乗せている。

・デッドウェイトは最初ブロックを(壁などに使う断面に穴が3~4つ開いた灰色の物)幾つか乗せてみたがほぼ効果なし。

・FFだと運転が楽なので「エンジンって重量はどのくらい?」と思い調べたが明確なデータは無かったが大よそ以下くらいの重量のようだ。

【1~2Lで90~150kg(エンジン単体のみ。ミッションは別でこちらは20~50kg)】

アルミと鉄では重量は違ってくるが、排気量が上記くらいならば大した差は無いようだ。

・米袋やその他鉄の錘などを10kgから徐々に増やして平坦の凍結路面で発進をしてみた。
20~30kgでは殆ど効果が感じられず、50kgを越えたあたりから「少し楽かな?」と感じた。

つまりトランクに乗せる錘は50kg、一人分の体重くらいは最低限無いとトラクションを感じない。

・最終的に70kgまで乗せたが、ここまで来るとかなり改善を感じる。しかし登り坂の凍結では絶望に近いくらい発進が難しい。


など大変に興味深いものでした。

車名や具体的な環境条件がわからないので参考程度と捉える必要がありますが、やはり駆動輪を上から押し付ける力が如何に大切かがわかります。



冬の運転で参考にしてはいけない内容

冬道の運転については多くの方が悩んでいるようで、本サイト始め多くの書き込みがあり上記の「トランクに錘」などのように「なるほど!」と思わせる秀逸な記事がたくさんあります。

しかし「絶対にマネしてはならず」という記事も多いのが冬道に限らずクルマ関連の記事の特徴でもあります。
特定のサイトや記事を責めるつもりなど毛頭ありませんので、固有名詞は書きませんが、概ね以下のような記事は参考にすべきではありません。

これらの記事の共通点はウソやデマというよりも「本人の異常な自信過剰」を自慢げに書いているというものが圧倒的に多いようです。
そのようなものを列挙してみましょう。

冬にFRは難しいなんて真っ赤なウソ。俺は雪国に住んでいるがFRが好きだし、冬に難儀したことは皆無。

→仮にご本人は全く難儀したこと無くても多くの方は大変に難儀しますし、プロドライバーのタクシー運転手でさえ大変な思いをしています。どれほどの腕がおありか知りませんが、誰でも出来るものではありません。

雪道や凍結路で滑ったら、ハンドルを・・・と軽く切ってすかさずアクセルを吹かし・・・、・・・ここでカウンターをあてて・・・

→こういうことを自慢げに書く人は冬の話題でなくても車関連のブログ/記事では物凄く多くて、私はいつも「ああ、子供だな・・・」と思っています。

こんなことできる人日本に一体何人いるの?絶対に失敗しないの?と。公道でこんな運転されたら大事故になって連日ニュースを賑わします。自信ではなくて極度の過信です。

TRC(トラクションコントロール)などがついている車でオフできるのであれば普段からオフすべき。いざという時に思ったことと異なる挙動になるので危険。

→TRCなどの駆動力制御や姿勢制御システムは万が一のためにある安全システムです。
「思っていた挙動と違う・・・」と言いますが、公道でそんな運転するのですか?サーキットの中だけにして頂きたいです。

もちろんTRCなども完璧な動作はしませんが、それなりの効果があります。だからメーカーはお金をかけてこのようなものを付けるのです。
私も製造業に長くいましたからメーカーは徹底的なコストダウンのためには無駄なものはつけない、部品はネジ1本まで減らすことを常に考えているということを知っています。TRCはおまけではありません。

 

こういう話しはまだまだ書き足りません。ある記事では真剣に「俺の愛車は古いからABSなんてついていない。でも万一の時は自分の足を高速で細かく動かす人間ABSがあるから大丈夫」とか「一刻も早く全ての高速道路はアウトバーンのように速度制限撤廃すべき。今の車の性能はかなり高いので何も問題ない」など。

車の性能が上がったのは事実ですが、人間の能力が付いていきません。

それは動体視力や運転テクよりもドライバーのマナーや一般常識という部分が付いていかないという点が圧倒的に大きいのです。

皆さんはこれらについてどう思われますか?

車は機械であり、多くの物理現象を具現化したマシンです。
つまり物理法則には逆らえないのです。簡単に言えばどんなにドライバーに自信(正確には過信)があっても、死角からいきなり自転車や歩行者が飛び出して来たらとても避け切れません。

万一避けることが出来ても他の車、歩行者、路肩の構造物などにぶつからず全て安全に毎回停止できるなんてありえないのです。

冬道のFRだって殆どの人が「運転が難しい」というのも同じことです。駆動輪の上に押し付ける錘(エンジンなど)がないので、タイヤと地面との間の摩擦を大きく取ることが出来ないからです。

車の運転で「自信」といわれる部分は実は「全て過信」に過ぎないということを忘れないようにしましょう。

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