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非常識な追越しでの事故

非常識・過信による追越し事故

過日(2019年5月28日)、日高自動車道・厚賀トンネル内で信じられない死亡事故が起きました。
それは以下のような事故です。

現場は片側1車線・対面通行のトンネル内

事故を誘発したワゴン車が、先行車を左側から追越そうとしたが、先行車に接触しさらにトンネル壁面に激突。

上記のはずみでワゴン車は対向車線に飛び出し、対向車線を走っていた軽自動車と正面衝突。

巻き込まれた軽自動車の運転手は死亡、ワゴン車の運転手も骨盤骨折の重傷。

これを↑読んで理解できますか?何が起きたかを。

【片側1車線のトンネル内で、先行車両を左側から追越そうとした】

のですよ!

片側2車線以上ある道路でも左側からの追越しは禁止です。

でも「左からの追越し禁止」を知らないドライバーは北海道に限らず全国的にも多いようです。

それを片側1車線のトンネル内で行うのですから!

わかりやすく図にすると以下となります。以下の図はトンネル内/外いずれも当てはまります。
トンネル内では路肩を雪置き場に使わないだけの違いです。
(クリックで拡大します)

片側1車線で左からの追越しはわりとある。

このような事故があったと聞いて皆さんはどう思うでしょうか?
無茶な追越しは全国的にありますが、「片側1車線の道路を左側から・・・」には驚く人が多いと思います。

でも私が免許を取り、運転を覚え、多くの場所にドライブに行った関東やその隣接地域でこのような追越はされた経験もなければ見聞きもありません。

でも記憶の範囲では北海道で2~3回はありますし、「左から抜かそうとしているんだな」と感じたことは無数にあります。

 

一番恐い思いをしたのは冬の片側1車線の道央道でのことでした。

広い路肩は除雪された雪がたっぷり積もっており、走行帯も完全に雪が無いわけではないし、一部は氷も残っています。
軽く吹雪いていて視界は100~150mくらいでしょうか? 当然ライトは点けています。

ミラーを見るとぼんやりとライトが見えて、吹雪の中とは思えないようなスピードで近づいて来るレガシーツーリングワゴンがいます。

え?と思うほどの車間距離を詰めてきて、やたらと左側に車体を寄せて来ます。
つまり「左側から」追越そうとしているのです。

 

左側と言っても除雪された雪で満載ですので、雪山に車体半分でも乗り上げないと追越しなんて出来ないあり得ない状況です。

その時の速度規制は50km/h、私の車は55~60km/hでしたが、車間距離は経験から大よそ5~6mくらいです。
いつ追突してもおかしくない状況ですが、レガシーはぴったりくっ付いて左に寄ったり戻ったりを繰り返します。

路肩の雪が少ない部分を狙って一気に追越そうとしているようです。これは大変危険でそんなことやられたら間違いなく事故に巻き込まれます。

どんなに走破性の優れた4WDでも凍結には非力ですし、雪に乗り上げながら狭い路肩を追越そうとすれば100%スリップ事故を起こします。

幸いすぐ先にPAがあり、そこに入り事なき事を得ましたが、そのレガシーは私がいなくなったと同時に物凄いスピードで本線を走って行きました。

あまりにも無謀で腹が立ちました。
(はっきりいうとスポーツタイプのスバル車は関東でも北海道でも無謀・過信運転が多すぎます。)

季節問わず北海道ではこのような経験をして大変に恐い思いをされた方は多いと思います。



その他の無謀な追越し

その他にも以下のような追越しを経験したり、目の前で見て驚いた事が数回以上あります。

こちらが右折しようと右にウインカーを出しているのに、後続車は私の車を右から抜こうしてくる。
衝撃過ぎて何を言っているのか理解出来ない人もいるかと思います。以下の図を参照下さい。

(クリックで拡大します。)

大事故にならないほうが不思議な追越しです。私は旭川郊外の町道、札幌市内でも2回は経験しました。
しかも後ろの車は追越し前提なのでかなりの速度を出しているのです。

前の車のウインカーや挙動をまったく見ないで運転している以外に理由がありません。

ひどいドライバーは私が十分手前からウインカーを出しているのにも危険と感じたのか急ブレーキをかけて、私が右折した直後には頭に来たらしくクラクションを派手に鳴らして去っていきました。どっちが悪いんでしょうね?

片側2車線以上の道路で走行車線と追越し車線の間をすり抜けようとする車
バイクがよくやるパターンですが、これをランドクルーザーやパジェロなどの大型RV車が平気でやります。
数度見ていますが幸い私の横をすり抜けようとした車はいませんでした。

冬の高速でこれを見た時は驚愕以外の言葉が出ず、走行車線の車は「割り込まれたら大事故になる」と思ったのでしょう。
わざと真ん中よりに車体を寄せてすり抜けようとした車の進行を阻止したのです。

でも阻止された車はよほど頭に来たのでしょうね。車体を左右に振って威嚇していましたが、結局すり抜けが出来ず諦めたようでした。

多重追越し
右側から追越す時も普通は1台しか追越しませんし、よほど遅い車が連なっていてもせいぜい2台だと思います。
(本来複数台の車を追越すのは大変危険でやってはならない。)

でも北海道の田舎道(幹線道路含む)では5台以上を一気にごぼう抜きする車が多いですね。
札幌市内や近郊では今のところ見たことがありませんが、まるで高速の追越し車線をかっ飛んで行く、という車は珍しくありません。

追越す車の速度は恐らく120km/h以上は出ているはずです。制限50~60km/hの道でも。一発免停どころか逮捕される速度です。

しかもカーブでもやる車がいます。完全に見通しが悪ければやりませんが、周りが開けていて緩やかなカーブだと「対向車は来ないだろう」と勝手に決めて追越すのです。

こんなドライバーが多いので北海道では100km/h超での正面衝突が多いのです。もちろん結果は双方ともに即死です。



無謀な追越しに対処するには

はっきり言って決定的な対処法はありません。
当該ドライバーが心を入れ替える以外ないのです。

しかしそれも非現実的ですので、都心部や田舎道問わず常にミラーもよく見るしかありません。

北海道では多くの車は車線変更ではウインカーを出さないのを前提で運転していますので、交差点以外では他車のウインカーもよく見ない車が圧倒的です。

ウインカーを出さないだけでなく、交通量の多い場所でも回りの車の挙動を確認せずにいきなり進路変更をしてきて接触事故は日常的です。

ここで紹介した無謀追越し(他の無謀運転も含め)による被害は「適切な速度と車間距離を守る」、「周囲の車の挙動を常に観察する」、「ミラーもよく見て周りを知る」事が習慣付けられていれば、限りなくゼロに近づけることは出来るのです。

特にミラーでの確認は直進運転している時は確認がおろそかになりがちになりますがとても重要なことです。
ミラーを見ていないと思われる車が全国的に溢れていますので走り慣れた道でも常に緊張して走るべきなのです。

無謀運転の当事者の心理と意識は?

直接インタビューしたわけでもありませんので、何とも言えませんが殆どの人は無謀運転なんてまったく思っていないはずです。

それどころか、「俺は運転がうまいから」、「普段からよくやっている運転方法で慣れている」と言う人が殆どでしょう。
これを裏付ける経験を何度かしています。

私は飲食店や公共の場で以下の発言を耳にしたことがあります。

居酒屋で耳にした会話。

「あれ?XXさん車で来ていなかった?」

「車に決まっているだろ。でも俺は事故を起こしたことがない。大体酒の許容量なんて人によって大きく違うのだから一律飲酒運転ダメ!と決め付ける連中がおかしい」

飲食店のTVニュースで「事故を起こした車は制限速度を20km/h上回る70km/hで運転していました・・・・」を聞いていた人は、

「たかだか70km/hで騒ぐな!俺は最低80km/h以上は普通に出しているし事故を起こしたことない。事故を起こすやつは下手糞なんだよ!}

と。

これらの発言は北海道に限らず恐らく全国であることでしょう。

しかし共通しているのは「今まで(たまたま)事故を起こしたことがなかった。」、「普段からそういう運転をしている。」、「俺は上手いから」に収束されると思います。

 

車は大変に便利な乗り物・道具であり、社会には(個人にではない)なくてはならないものです。

自分の行きたいところにいつでも自由に行けるし、体力を使わなくてもちょっとアクセルを踏んだだけで60、100(以上)km/hが簡単に出てしまう乗り物です。

だから思い通りに車が動いてくれれば「俺は運転が上手いんだ」という錯覚に陥りやすくなり、この過信の結果事故を起こしているのです。

とにかく過信は禁物、そして教習所で習ったことは時代錯誤、馬鹿馬鹿しいとは思わず基本に忠実に運転していれば事故を起こす、事故にあう確立は極めて低くなるのは事実なのです。

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