車歴の長い車の見落としがちなポイント
車歴が長くなり見落としがちになる個所は?
車の消耗部品についてはディーラやカー用品店で指摘されて交換という事が殆どですが、もしあなたが「今の車を可能な限り長く乗りたい」という時にはさらに気を付けて頂きたい個所もあります。
なぜこのようなことをわざわざ書くかというと、我が家のマイカーは10年はとうに超えており走行距離も15万㎞に迫る状況にあります。
国産の大衆車ですが、今まで消耗品の交換以外にトラブル、故障は皆無です。
もうちょっと乗りたいので様々な点に気を付けていますが、一般的な情報では得にくいディーラーなどから仕入れた情報をお伝えしようと思いました。
近年の車の所有年数は「極端に短い(最初の車検を目安など)」か「極端に長い」のいずれかと言われています。
この2つで前者の方は比較的少なく富裕層かまたは生活よりも車を優先される方だと思います。
極端に長い、まで行かなくてもそこそこの年数を乗るのが車ですし、住む(使用する)環境によって車の傷み具合も変わって来るのです。
一般的な交換部品
車の年数にかかわらず定期的に交換する部品を挙げてみます。
以下のものは特に長く乗らなくても必要なものばかりです。
●オイルとオイルエレメント
一般論ではオイルは半年に1度、または5000㎞に1度、エレメントはオイル交換2回に1度です。
オイルは非常に重要なものなので必ず交換しなければいけませんが、極端に短い頻度(例:1000㎞ごととか)で交換してもエンジンコンディションが良くなるわけではありません。基本はメーカ推奨値となります。
●ワイパーゴム
使う頻度や車を使用する地域によりますが一般的には1年に1度程度でしょう。
交換周期がもっと長くても問題はありませんが、吹き残しが発生したり、ゴムが切れたり裂けてガラス面に傷が付く事もあり得ます。
ゴム製品は太陽光にさらされるだけで紫外線による劣化が進みますのでタイヤと同様気を付けたい部品です。
●ライト
すべてのライトのランプの事です。
LEDでは玉切れは殆どありませんが、従来型のハロゲン電球では玉切れが起こります。
これが何年後に起こるかとかは全く予想不可能で10年以上切れないランプもあれば新車購入後1年で切れる場合もあります。
HIDランプは玉切れとか故障は少ないですがそれでもLEDに比べたら寿命は短いと考えるべきです。
ところで私は過去にヘッドライトの片方の玉が切れたので交換してほしいとディーラに見積もらせたら7万円前後の見積書を提出されたことがありました。
あんなものランプ1個100数十円~数百円で、工賃入れても1000円程度のはずです。
電話で問いただしたところ「ライトアッセィと勘違いした」とか言われたのですが、ライトアッセィ(メーカにより様々な呼び名あり)とはヘッドライト樹脂カバー、内部の反射鏡など一式交換の見積もりでした。
しかも左右交換の価格だったのです。再見積もりではランプ1個交換で工賃と税込みで1000円程度でした。
担当営業マンに聞いたところ「今年の新卒が受けて見積書を作った」とのことでした。
「高いな」程度の感覚で素直に払ってしまう人もいるかもしれませんので要注意です。
●ブレーキフルード
これは車検時毎が推奨されていますのでそれに従えば問題ありません。
非常に重要なものですから「今回はパス」とかは止めた方がよいですが1年に1度変えるものでもありません。
またブレーキパッド(特に荷重のかかる前輪用)の交換も頭に入れておく必要がありますね。
基本はディーラに見てもらって、その時の状況次第ですが坂の多い道を日常的に走る人、シフトダウンを殆どせずに連続した坂でもフットブレーキ踏みっぱなしの人(←こういうドライバーが圧倒的に多いが)などの車は新車購入から3~4年で交換になる事もあります。
車種によりますが前輪の左右のディスクブレーキパッド交換で1~2万円程度です。
(補足)「坂道でフットブレーキ踏みっぱなし・・・」だとフェード現象やベーパーロックが起こって(教習所で習いましたね)ブレーキが利きにくくなり非常に危険ですが、近年こういう事故が極端に減っていると思われます。
その理由はメーカーはAT全盛になって、殆どのドライバーはマニュアル操作でシフトダウンしないことを熟知しているからです。
だからそれに対応するために「アクセルを戻しても車速が上がる場合は下り坂とみなし自動的にシフトダウンする」という機構をとり入れているのです。
この機構でブレーキの異常な加熱は減少させることが出来ますが、完ぺきではありませんし、付いていない車種もあるので基本はマニュアル操作でシフトダウン、またはBモード位置にすることが必要です。
●クーラント
冷却水の事ですがこれはメーカにより考え方(液体そのものではなくて)が大きく異なるようで、50000㎞、100000㎞などさまざまです。
基本はメーカ指定の交換周期に合わせていれば良いのですし、点検時に聞いてみるのもよいでしょう。
いずれにしてもオイルのように頻繁に変えるものではありません。
車歴の長い車の見落としがちの部品
個人所有の車は普段の維持費以外は極力お金をかけたくありませんから、先述した定期的に交換する部品、故障した部品以外は変えずにほったらかしにしている事が殆どでしょう。
しかし新車で購入しても8年、10年、そしてそれ以上乗っていると思わぬ個所の劣化が発生し、時には重大な故障に繋がることもあり得ます。
殆どの人はディーラ任せでしょうが、最低限知っておいてほしい部品について説明しましょう。
◆ドライブシャフトのブーツ
これは駆動軸に被さっているゴム製のカバーで、蛇腹状の形状をしています。
この中にはオイルがたっぷりと入っており、内部のユニバーサルジョイントを保護しているのですが、ゴム製品なので大きな力が加わらなくても経年劣化があり、傷が付くとそこから裂け目が入りオイルが漏れ出します。
オイルが大量に流出するとユニバーサルジョイントは摩擦熱で高温になり部品が飛散するという事態になってしまい走行不能となります。
部品飛散時は運転席でもかなり大きな音が聞こえるとディーラの整備士の方が教えてくれました。
この部品の寿命も千差万別で、50000kmで交換する車もあれば私の車はそろそろ150000㎞近いのに定期検査で全く問題なしという事例もあります。
整備士の方の話では目安として50000㎞超えたら毎回検査をするのが望ましいとのことです。
また部品交換料金ですがメーカー製純正だとものによりますが数万円かかるそうですが、ディーラーでも取り扱っているサードパーティ製(非純正品)ならば1300~1500㏄の車の場合片側1~1.5万円程度で済むそうです。
この安い部品はブーツを半分づつ割った形状をしていて交換も簡単と言っていました。
ただし半分づつ割ったものを装着するので寿命がどうかは判らないとも。
なお部品が飛散した状態からの交換だとブーツのみならずドライブシャフト自体を交換、場合によりミッションを下すなど大変な作業になる事もあるそうです。こうなったら多分10万円では済まないでしょうね。
◆タイミングベルト
内燃機関で動いている以上避けられない部品です。
万一このベルトが切れたら直ちにエンジンは停止し走行不能となります。高回転領域を使う高速道路などで起きたら大事故に繋がりかねません。
なおエンジン停止だけで済まずエンジンそのものを壊してしまう事もあり得ます。
それはピストンが吸排気弁に直撃したりする可能性があるからです。最近のエンジンはそのようなピストンの衝突が起きないような設計になっていたりもするそうですが、タイミングベルト切れはどんなトラブルを誘発するか分からないこともあるのです。
だから絶対に起きてはならないトラブルなのです。
寿命も「この車ならばX年」とか言い切れないのですが、ドライブシャフトのブーツのように5年程度から要注意と聞きました。
私の車は7年目で「ベルトに細かい日々が散見される」と言われ、恐いので交換してもらいましたが確かちょうど1万円程度だったと記憶します。
◆ウォーターポンプ
この部品の交換もよく聞きます。
5~10年以内で1度は交換した人が多いようです。たいてい定期点検で交換の予兆が見つかります。
水のポンプと言っても水がポタポタ染み出しているのではなくて(←こんな状態だったら一大事)、ポンプとホースの接続部、またはポンプ自体に水が染み出たような跡がある、などからトラブルが発覚します。
うちの車の場合は8年を超えたあたりから「ホースとの接続部に水が染みた跡がある。要注意個所として覚えておいて下さい。」と言われ、その後半年に一度の点検でも水の染みの進行は特に認められなかったのですが、11年目くらいだったかエンジンルームから異音がするようになったのです。
それはアイドル時では特に気にならないのですが回転が上がるとキュルキュル樹脂同士が擦っているような音がします。
整備士の方のお話では、ウォーターポンプ内部の劣化などによりタイミングベルトが掛かるプーリが空回りしている可能性とのことでした。
このまま放置すればウォータポンプ停止によるオーバーヒート、場合によってはプーリの破損が生じ回転している部品なので破損したプーリがエンジンルーム内で飛散して他の部品を壊すかもしれないそうです。
ホース接続部の水が漏れた後のような染みはウォーターポンプで起こった何らかの異常ではあるが、キュルキュル音とは別の原因かもしれない、いずれにせよ早急に取り換えないと大変なことになる、と言われたので交換をお願いしました。
エンジンを下すなどしなくても車両下部から作業が出来るそうなので時間的には1時間少々でした。
料金は工賃込みで5万円弱となりました。(1500㏄車です。)
私の友人も数万㎞でウォーターポンプを交換した人が多いのですがなぜかオイルポンプや燃料ポンプの交換をした人はいません。(私も含め)
ウォーターポンプは他のポンプに比べて負荷が大きいのでしょうか?
これらのポンプもいずれ交換時期が来ると思いますが、それまでには何とか新車に乗り換えたいものです。
これらの他にも間違いなく交換しなくてはならない部品があるはずです。
しかしそれらは車の車種、使い方、車歴により大きく異なります。
とにかく半年ごとの点検はきちんと受けて交換すべき部品は早めに交換するべきなのです。
きちとメンテ、交換をしていれば今の日本車は相当長く乗ることも出来るはずです。
例えばタクシーなどは40~50万㎞以上も走ることもあるそうです。
ただし車歴が長くなるほど維持費用が掛かりますのでこれが一番の頭が痛いところですね。
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